東京ヴァルハラ異聞録

翌朝。


目を覚ますと同時に美姫を起こし、洗面所で洗顔と歯磨きを済ませて準備を済ませた。


「良いか、美姫。俺が先に出て、悟さんと愛美の様子を窺うから。俺が合図したら廊下に出ろよ?」


美姫が俺の部屋にいるなんて知られたら、何を言われるかわかったもんじゃない。


あらぬ誤解を招かないように、なんとか誤魔化すしかない。


「はーい。昴くんの言う通りにします」


随分素直だな。


まあ、美姫もあまり勘繰られたくないんだろうなと思い、ドアを開けると……。


「おっと!起きてたか昴。じゃあ、美姫を起こして北軍に……」


悟さんがドアノブに手を掛けて、俺の部屋の前にいたのだ。


しかも、後には愛美も眠そうな顔で立っている。


これは……詰んだ!


「私は起きてまーす。おはよう!」


美姫が笑顔で悟さんと愛美に手を振って見せる。


「……あ、そう言う事ね。なんだよ、言ってくれればもう少し遅くに来たのに……」


何おかしな所で気を遣ってるんだよ悟さん!


「ち、違いますよ!お、俺と美姫は何もないんですからね!!俺は沙羅の事が好きで……その……」


混乱から、わけのわからない事を言ってしまった。


悟さんと愛美は呆れたように笑って、誤解されているのかどうなのかわからないままだった。