東京ヴァルハラ異聞録

「う、うわあ!ごめんなさい!そんなつもりじゃなかったんです!」


慌てて手で目を塞いで、その姿を見ないようにするけど……恐ろしくスタイルが良い。


見ないでいても、鮮烈に脳裏に焼き付いている。


「むっ?何を恥ずかしがっている?少年という人種は女の裸に臆するものなのか?」


バタンとドアを閉め、タオルでも巻いてくれたかなと思って見てみると……結局何も巻かずに堂々と。


そう言えば、カードキーを入り口の横に刺さなくても電気が点くんだな……。


「そ、それより!恵梨香さんはどうしてここに……てっきり俺は北軍で暴れてるのが恵梨香さんだと思ったんですけど」


「ああ、確かに私がいたぞ。暴れたつもりはないのだが……そんな風に伝わっているのか?」


な、なんだ、暴れてないのか。


まあ、噂だもんな。


「バベルの塔に向かう為に仲間を集めていたのだが……なぜか戦闘になってしまうのだ。困ったものだな、この街の人間は」


「わ、わかります。敵軍のいう事は聞いてもらえませんよね、基本的には。恵梨香さんはどんな感じで仲間を集めているんですか?」


「私か?実にシンプルだぞ?『私に付いて来い。貴様なら戦えるだろう』と声を掛けているだけだが」


……ああ、この人壊滅的に交渉に向いていないなと、俺は感じた。