東京ヴァルハラ異聞録










あれから、どれくらいの時間が経っただろう。


廊下の方で何やら物音が聞こえて、俺は目を覚ました。


誰かが休む為に、このホテルに入って来たのか。


今が何時かはわからないけど、総力戦の最中か、それが終わった後なのか。


特に気にする必要もないかなと思い、目を閉じたけど……なんだか右腕に圧迫感がある。


なんだと思い、隣を見ると、寝息を立てている美姫の姿。


そして俺の右腕は……美姫が覆い被さるように上に乗っていて、身体の下敷きになっていた。


少しの痺れはあるけど、それ以上にこれは……。


身体が柔らかくて気持ち良い。


……いや、そうじゃない。


そっと、美姫の身体の下にある腕を抜こうとすると、寝息を立てていた美姫が小さく声を上げて目を開けたのだ。


「……昴くん?おはよう。え?何?寝てる時にこんな事しなくても、言えば良かったのに」


美姫が俺の腕を掴み、太ももにギュッと力を入れると、そこにあった俺の手が挟まれる。


「い、いや……これはその……起きたら手がそこにあっただけで……」


慌てて引っこ抜いてそう言ったが、この状況では言い訳にしか聞こえない。