東京ヴァルハラ異聞録

「じゃあ……美姫を沙羅ちゃんだと思って見るっていうのはどう?一晩だけ」


「ちょ……それはダメだって。美姫は美姫だし、そんな風には思えないよ」


「……つまんないの。ここまでお膳立てされてて、何もしないとか草食系かっての!」


俺がそう言うと、美姫は拗ねたように背中を向けてしまった。


だって仕方ないだろ。


こんな時どうすれば良いかなんて、俺はわからないんだから。


「ご、ごめん。そういうのよくわからなくて」


本当に困ったなあ……。


この状態で、何もしなければ怒られて、何かしても自信がないから怒られるんだろうし。


天井を見上げて悩んでいると、また美姫が体勢を変えて、今度は俺の方を向いた。


「……じゃあ、手を繋いで寝よ?それくらいなら良いでしょ?」


そう言って、俺の右手を握る。


「う、うん」


それでも、俺には刺激が強いと言うか。


ドキドキしてしまうんだけど。


このままでは身体を休めるどころじゃない。


何としてでも寝ないとと目を閉じた。


俺の力では沙羅を取り戻せない。


そう感じて、強くなる為に両国で魂の結晶を手に入れた。


やっと……沙羅に会えると思いながら。