東京ヴァルハラ異聞録

美姫を気にして戦いに集中出来なくなる事だってありそうだし。


いや、もしかしたら美姫の力を上手く使う戦い方を考えてくれるかもしれない。


明日、話してみるかな。


「昴くんはもう寝るの?」


「寝に来たからね。疲れを取らないと、明日からまた大変な事になるだろうしさ。美姫ももう寝なよ」


当然、自分の部屋に帰って……という意味だったが、美姫は微笑んで。


布団を捲り上げると、そこに身を滑らせたのだ。


「じゃあ、一緒に寝ようよ」


フフッといたずらっぽく笑って見せた美姫に驚き、俺は思わず声が裏返った。


「い、一緒にって!?い、いや……こういうのは好きな人同士がやる事で、俺と美姫は出会ってまだ1日も……」


「何童貞みたいな事を言ってるの?……あぁ、さては昴くん、そうだね?」


「うっ!!ち、違うし!」


思わず見栄を張ってしまったけど……俺は童貞だ。


今まで彼女なんていた事のない、生粋の童貞だ。


だからこそ、美姫に見透かされているみたいで腹が立ったと言うか。


そんな事で子供扱いされたくないという想いが前面に出てしまった。


「じゃあ、お姉さんの横においで。一人で寝るより、二人の方が寂しくないでしょ?」