東京ヴァルハラ異聞録

久慈を誤解していた。


目の前で篠田を殺され、怒りと憎しみに支配されていたけれど、篠田さんが望んだ事だった。


仕方ないとか、そんな言葉で片付けたくはないけれど、篠田さんが久慈に託してそれを受け継いでいるなら……。


これ以上、俺なんかが何も言える事はないんじゃないかなと思ったから。


カラオケ店を出て、すっかり暗くなった空を見上げた。


「はぁ……とんでもなく濃い一日だったよな。とりあえず今日はゆっくり寝て、北軍に行くのは明日にしないか?さすがに昴も疲れただろ」


悟さんにそう言われ、俺は考えた。


何度も瞬間回復をしているから、身体の疲れはないけど……精神的に疲れたかもしれないな。


「そうですね……どこかで休んで行きましょうか。あ、でもまだ総力戦が1回残ってますよね?」


1日に3回総力戦があるというなら、今日はまだ2回のはずだから。


「そんなの無視しておけよ。別に毎回戦わなきゃならないわけじゃないし、疲れてる時に戦ってもあんまり良い事ないからさ」


愛美が首を横に振って、自分ももう今日は休みたいというような雰囲気で。


疲れてるのは俺だけじゃないよな。


皆、今日は動き回って疲れているんだ。