東京ヴァルハラ異聞録

~現在~


久慈から、あの時何があったかを聞いた俺は、その話を信じられないという思いだった。


確かに、篠田さんらしいと言えばそうなのだろう。


よく考えた作り話だと一蹴する事も、本当だと信じる事も出来る。


「俺がタケさんを殺し……結果西軍は橋本と月影、そして俺とゼロ・クルセイダーズとかいうわけのわからない勢力に分かれた。だが、お互いを牽制し合って強くなろうとする。タケさんが望んだ、西軍を強くするという事にはなったわけだ」


話している間に、上にいた悟さん達が下りてきて、久慈の周りに集まる。


「だったら、月影と橋本さん達は勢力争いを続けた方がいいって事か?」


「どうだろうね。外に敵がいるのに、内部で争っててもどうかと思うけど」


悟さんの言うことも、愛美が言うことも否定は出来ない。


何が正しい道かなんて、後にならないとわからないものだから。


「ゼロ・クルセイダーズもある意味では強い西軍の勢力として、刺激にはなっていたわけじゃな」


「じゃあ御田さん……俺が三宅を殺したのは、間違っていたって事ですか」


「いや、そうじゃない。ゼロ・クルセイダーズが強大な勢力なら、それを潰した坊主もまた見過ごせない人間と言うことじゃよ。月影にも橋本にも、良い刺激になるだろうよ」