東京ヴァルハラ異聞録

男は、この攻撃が致命傷だったのだろう。


グラリと倒れ込むと、光の粒へと変化して四散したのだ。


それを確認すると、死神は俺の方に振り返って。


ゆっくりと近付いて来た。


慌てて日本刀を構えるけど、あんな戦いを見た後だと勝てる気がしない。


ガタガタ震えて、死神を見ていると。





「怖がらなくて大丈夫だよ。ありがとうね、助けてくれて」




死神にそう言われて、俺は驚きの表情に変わった。


敵なのに……怖がらなくて良いってどういう事だ?


「怖がる前に死ぬから」とか言い出しそうで怖い。


「か、影が緑って事は……て、敵なんでしょ」


「あー、確かに私は北軍の人間だけど、キミは私を殺そうとしないでしょ?そうだとしたら、助けてくれないもんね。あ、これがダメなのかな?ほら、怖くない」


そう言い、フードを脱ぐと、優しげな笑みを俺に向けたのだ。


死神という名前に相応しくない、可愛らしい黒髪の女の子。


見た目じゃ判断出来ないもんだな。


こんな可愛い女の子が、あんなに強いなんて。


「でも、どうしてキミは私を助けてくれたの?敵だって思ったんでしょ?」