東京ヴァルハラ異聞録

「な、なんだ……ありゃあ!何が起こってやがる!!」


三宅が声を上げ、マスターも何が何だかわからないと言った表情でパネルを見上げる。


「昴くん!マスター!これに乗って!!」


美姫の力か!?


パネルに向けた右手を歩道橋の方に向けると、それが高速で移動を始めた。


「マスター!飛んで!」


「え!?あ、はいっ!」


乗る……と言うよりは、飛び上がってパネルに足を付けると、そのまま押し出される感じで。


空中を信じられないようなスピードで移動。


身体に掛かる負荷が凄いけど、耐えられない程じゃない!


そして、群衆の上を飛び、あと少しで歩道橋という所でパネルが失速した。


美姫の力が切れたのか、射程の外に出たのかはわからないけど……マスターと顔を見合わせた俺は頷いて、パネルを蹴って歩道橋の上に着地した。


「……本当にありがたい。昴くんと美姫さんに出会えて良かった。私一人では、ここに辿り着く前に川本さんを殺されていたかもしれません」


袋を被されている南軍の三人、そしてゼロ・クルセイダーズの人間を挟むようにして、俺とマスターが武器を構える。


「まだ助けていないんですから、そういう話は後にしてください。早く、川本達を助けましょう」