東京ヴァルハラ異聞録

美姫がサイキッカーだと言うのはマスターには伏せるとして、とにかくこれで美姫が参加するのは認めてもらえたかな。


「いやあ……武器を出していないのにあんな動きが出来るとは。この街は狭いようで広いもんですね。私もまだまだ修行が足りない」


そう言ってても、マスターはなんだか嬉しそうなんだよな。


本当に敵軍の人なのかと思ってしまうくらいに馴染んでいる。


沙羅と似たようなものかな。


「とりあえず、あの場所に向かいましょう。まだ人は集まってないみたいですけど、いつ実行されるかわからないですよね」


食べかけのおにぎりを口の中に入れ、立ち上がった俺は日本刀と鞘を取り出してマスターを見た。


すると、マスターは日本刀を指差して。


「気になっていたんですが……昴くんはなぜ刀と鞘を別々に持っているのでしょうか?」


「え?ああ。敵の数が多い時とか、両手に武器を持ってるやつが相手の時が多くて。手数で負けたくないから、鞘も武器として使っているんですよ」


便利なんだよな、鞘だけを持っていても武器を持っているのと同じ身体能力になるし、これで三宅の不意を突けたわけだし。


そんな俺を見て、マスターは首を傾げた。