東京ヴァルハラ異聞録

「欲張りだね。どれだけ願いを叶えるつもり?でも、それくらい希望を持っておいた方がいいかもしれないね」


フフッと笑ってくれた美姫に、少し救われたような気がした。


俺には、俺にしか出来ない事がある。


人が死んで後悔しないように、今やれる事をやるしかないんだと改めて気付かされた。


ただの高校生の俺が、全ての人を救えるだなんて考えるのはとんだ思い上がりだ。


後悔がないように行動したから助かる人がいる。


そう考えれば、悩まなくて済む。


「吹っ切れたかな?困ったらお姉さんに相談しなさい」


「ありがとう、美姫。これから川本を助けに行くけど……美姫も来てくれる?」


正直、戦闘に巻き込むのは気が引けるけど、美姫の力は役に立つと思うから。


戦闘においては、極めて強いわけじゃないと思うけど、今まで出会った事のない、異質な強さを秘めている。


川本を助ける事も出来ると思えた。


「美姫を頼ってくれたのは、昴くんが初めてだよ。わかった。頑張るから何でも言ってね!」


立ち上がり、胸の前で両手を握って嬉しそうに笑った美姫だったけど、そう言った途端お腹が鳴って苦笑いを浮かべた。