東京ヴァルハラ異聞録


そんなにわかりやすい顔をしていたかな。


だとしたら、相当落ち込んでいるんだろうな。


ここ最近、立て続けに嫌な事ばかりあって、自分に自信が持てないと言うか。


「俺が戦ってるのって、誰かの為になってるのかなって。俺が戦えば戦うほど、死なせなくない人が死んでさ。美佳さんだって……三宅と一緒にいるのが幸せなら、俺は戦わない方が良いのかなって思ってしまうんだ」


「どうしてそう思うの?」


「え?いや、だから……俺が戦えば、色んな人達が不幸に……」


まさかそんな質問が返って来るとは思わなくて、美姫の方を向いて答える。


すると美姫は、両手で俺の頬を持って。


「美姫は昴くんが助けてくれたから、ここにこうしていられるんだよ?死んだ人達は、昴くんを恨んで死んだの?私は……感謝してる」


ゆっくりと顔が近付く。


吸い込まれそうな瞳に、優しい声。


ゴクリと唾を飲み込み、目を閉じた時だった。


バシッと両頬を叩かれ、俺は慌てて目を開けた。


「何その気になってるのよ。残念でした」


い、今のは絶対にそういう流れだろ!


なんて、口が裂けても言えず。


俺はムスッとして正面を向いた。