東京ヴァルハラ異聞録

「年下に子供扱いされたくないんだけど。でも、心配してくれるのは嬉しいよ、ありがと」


笑顔でそう言う美姫を見ていると、何だか怒る気も失せてしまうよ。


「それにしても、俺がここにいるってよく分かったね。あんなに人がいるのに見付からずに来られたのも運が良かった」


俺でさえ、追っ手を巻くのに苦労したし、人がいない場所を求めて走り続けたって言うのに。


「昴くんは見えてたからね。それに、お腹が減ってなきゃ誰にも見付からないなんて簡単だよ?」


相変わらず美姫の会話はわからない。


自分では当たり前の事を言っているのだろうけど、俺にはさっぱりだ。


「俺が見えてたって?どうやって。まさか今何してるとか全部わかるわけ?」


「そうじゃないの。強く念じれば、その人がどこにいるか、光が教えてくれるの」


……便利な力だな。


車も吹っ飛ばせるし……誰だよ、戦う力がないって言ったやつは。


「……まてよ?じゃあ、その力を使えば、捕まってる人がどこにいるかわかるじゃないか!」


川本がどこにいるか、美姫の力で見てもらえればと思ったけれど。


「美姫が会った事のある人ならわかるよ。でも、会ってない人は無理だけどね」


……なんだよ、結局ダメじゃないか。