東京ヴァルハラ異聞録

少し北、戦闘の音が聞こえた付近に移動した俺は、人だかりが出来ている場所の近くまでやって来た。


眼下には、ゼロ・クルセイダーズが円を作り、その中に三宅と……あれは、有沢か?


有沢が倒れて天を仰いでいた。


「惨めなもんだな。腕を吹っ飛ばせば、動きは並の人間に戻るんだからよ。どうだ?身動き取れなくなって、俺を見上げる気分は」


「はぁ……はぁ……殺せよ。じゃなきゃ、俺がお前を殺すからな!」


上から見ているとわかる。


三宅が有沢の腹部を踏み付けて見下ろしているけど、有沢は足を上げて何かしようとしているのが。


「あぁ?やってみろよ。腕がねぇのに何言ってんだ」


そう、三宅が言った時だった。


有沢の足に引き出されたかのようにハンマーが現れて。


勢いよく三宅の後頭部に向かって倒れる。


完全に死角……だったのに。


後方に拳を振った三宅は、そのハンマーを殴り飛ばして防いだのだ。


「……まさか、今ので殺そうとか言ったわけじゃねぇよなぁ?こんなもんで俺が死ぬかよ」


有沢の渾身の不意打ちだったに違いない。


それすら防がれてしまい、諦めたように有沢は首を横に向けた。