東京ヴァルハラ異聞録

千桜さんの言う通りかもしれない。


同じ西軍が相手……という事は、自軍で戦う俺達も三宅達も、回復が早いというアドバンテージがある。


両者にそれがあれば、より強い者が勝つのは必然。


「そうですね。七花ちゃんは残念ですが、一度戻って作戦を考えた方が良いですね」


「あれ?皆さん帰っちゃうんですか?困ったなあ……強い殺気を感じてやって来たのに」


籾井さんが顔をしかめてそう言うと、同じように顔をしかめて首を傾げた大塚。


……大塚?


「う、うわっ!?いつの間にここに!!」


真っ先に飛び退いたのは千桜さん。


それに続くように俺も飛び退き、籾井さんはまだ大塚に気付かないようだ。


「あれ?千桜さんも昴くんもどうしたんですか?」


本人を前にしてもまだ気付いてないのかよ籾井さん!!


「キングを探してるんですけどね、どこにあるかわかりませんかね?川本さんもやられちゃったみたいですから、せめてその在り処だけでも知りたいんですけど」


そう言われて、やっと気付いたようで。


千桜さんの後ろに隠れた籾井さん。


「こ、この僕が全く気付かなかったなんて……さすがはニンジャマスターと呼ばれる大塚紀久ですね」