東京ヴァルハラ異聞録

矢の速度が速い!!


総力戦で飛んで来る、とりあえず射っているような矢とは全く異なる。


美佳さんが矢を放した瞬間、それは川本の右の太ももを貫いて。


「うあっ!」


という声を上げ、川本は地面に転がった。


「おい、外してんじゃねーよ」


「外してないよ?まずは脚を止めて、動けないようにしてから確実に……でしょ」


そして、再び弓を構えて矢を射る。


今度は左の太もも、


……これが、あの美佳さんなのか?


そんなに一緒にいたわけじゃないけど、どうしてこんなに残忍になった。


「あははははっ!!次は残った腕だね!」


言うより早く、美佳さんの矢が右腕を貫く。


「ぎゃっ!!ち、ちくしょう!!」


この街では敵を殺さなければならないというのはわかる。


だから、川本が負けて殺される事は仕方がないとも思うけど……これは違うだろ。


敵をじわじわといたぶって、弱らせてから殺すなんて。


「おい、待てよ美佳。面白い事を考えたぜ。こいつを殺すのは止めだ」


そう思っていたら、三宅が美佳さんの手を掴んで攻撃を止めさせた。


「え?どうしてよ?」


「他にも暴れてるやつらがいるだろ?そいつらも捕まえて、俺の力を見せ付けてやるんだよ。その後に見せしめで殺せば良い。また見たいだろ?アレを」