東京ヴァルハラ異聞録

「さてさて。ここ最近、東日本橋辺りの守りが堅いっていう話じゃないかよ。ここにキングがあると見て間違いないな」


ニットキャップを被った髭の男、三原が小太りの中年の男に尋ねた。


「はいっ!そうですね。どうもここだけ見張りが多くて、人を近づけようとしないみたいなので、その可能性は十分にありますね」


大塚が、人懐っこい顔を篠原に向けてそう答えた。


「東日本橋っつっても、どこにキングがあるかわからないから、しらみ潰しに探すしかないんだよな」


有沢が歩きながらそう言うと、そんな有沢の肩を叩いて川本が笑って見せた。


「暴れてみればわかるっての。ここの防衛がどんなものかで、キングを守っているかどうかがわかるだろ?」


「七花の言う通りだな。暴れてみて、運良くキングを見付けたら破壊する。早い者勝ちだ、恨みっこなしだぜ?」


三原がそう言い、ニヤリと口角を上げると、四人は階段を上がって行った。


「ど、どうする千桜さん。あんなやつらが暴れたら、本当にキングが破壊されるかもしれないですよ」


慌てた様子で籾井さんが尋ねるけど、千桜さんは溜め息をついて。


「籾井さん、キングは秋葉原にあるでしょ……どうしてここで暴れられてキングが破壊されるんですか」


「あ、そうか」


呆れる千桜さんに、思い出したかのように表情が明るくなる籾井さん。


この人、本当に大丈夫なのか?