東京ヴァルハラ異聞録

そして、しばらく待っていたらポケットのPBTからアラームが鳴った。


「むっ!行きますよ籾井さん!わたるくん!」


総力戦が開始されると同時に、ホームに入って来た電車に飛び乗る。


高速で流れる景色が、すぐに暗くなり、一定間隔で通り過ぎる照明があるだけ。


「馬喰横山駅に到着したら、すぐに飛び降りて階段に走ってください!反対側のホームにいると思われる人達に気付かれないように!」


帽子が飛ばないように頭を押さえながら、千桜さんが叫ぶ。


「馬喰横山駅って、あとどれくらいで到着するんですかね!?」


と、籾井さんが叫んでしばらくすると、前方に光が溢れた。


「今ですよ!!さあ、飛び降りて!!」


ブレーキもかけずに走り抜けるから、移動が早い!


千桜さんに言われたように電車から飛び降り、近くにある階段へと走った。


階段に身を潜めると同時に、壁から顔を出して反対側のホームを見た。


電車が通り過ぎた後。


反対側のホームでは見張りらしき人が五人。


あれでは、電車に乗れるような人が来たら防ぐのは不可能だろう。


誰かが殺られても、連絡を取れるようにしているのかな。