東京ヴァルハラ異聞録

「うーん……ねえねえ、美姫も昴くんと一緒に行っていい?」


突然の提案に、俺達は一瞬絶句した。


だってそうだろう?


ゼロ・クルセイダーズにさらわれそうになっていて、守ってもらう為にここまで来たのに。


それなら橋本さんの条件を飲んだ意味がなくなる。


「じょ、状況がわかってそんな事を言っているんですか!?僕達が何の為にあなたをここに連れて来たと……」


「だってぇ……」


「だってじゃないですよ!戦えない人を守る余裕なんて、僕達にはありませんからね!わたるくん、行きましょう!」


千桜さんに腕を引っ張られ、俺はビルの外に出た。


美姫は悲しそうな顔をしていたけど、千桜さんの言う通りだから仕方がない。


「全く……困ったもんですね、美姫さんには。僕の親切をなんだと思っているんですかね!」


「は、はは……と、ところで千桜さん。ゼロ・クルセイダーズはどこにいるんですか?総力戦が始まっても、俺達はそこにいなきゃいけないんでしょうか?」


「ゼロ・クルセイダーズは東日本橋周辺を牛耳っているようです。僕達の目的は飽くまでも偵察ですからね。出来るだけ目立たずに行きたいですが……南軍が攻めて来た時は、目立たないように戦いましょう」