東京ヴァルハラ異聞録

「ゼロ・クルセイダーズ……」


俺がそう呟くと、橋本さんは頷いて。


「知ってるなら話は早いな。そっちの嬢ちゃんも、どうせやつらにさらわれそうになったんだろ?」


美姫を指差し、フッと笑った。


「まさか、俺達にそのゼロ・クルセイダーズを潰せって言うんじゃないでしょうね?侵攻部隊や防衛部隊が手を出せない勢力を、三人でってのはさすがに無理ですよ」


悟さんがそう言うと、橋本さんはフウッと溜め息をついて。


「そこまでの無茶は言わないさ。お前らのうち二人は月影のところに共同戦線を張るように伝えてくれ。一人は小桜達とゼロ・クルセイダーズの領地に侵入して動向を探る。念の為、俺の連絡先は追加してな」


そう言われて、俺達は顔を見合わせた。


悟さんと愛美はどう思っているだろう。


勢力争いをしている月影のところに、橋本さんからの使いだと知ったら、どう思われるかは明白。


そして、ゼロ・クルセイダーズの領地に侵入するにも危険は付きまとう。


どちらにしても、楽な仕事じゃなさそうだ。


「橋本さん、それってさ、万が一失敗しても自分達の腹は痛まないって事だよね?何かあれば私達が酷い目に遭って終わりって……そう言われてるような気がしてならないんだけど」