東京ヴァルハラ異聞録

あ、やっぱりそうだよな。


この返事もおかしな事を言われたらどうしようかと思った。


「だったらどうやって?他の武器はないんでしょ?」


「うーん……ご飯を食べさせてくれたから、その敬語をやめてくれたら昴くんにだけ教えるね。絶対に誰にも言っちゃダメだよ?」


「え、う、うん」


いきなり敬語をやめろと言われて戸惑ったけど、やめろというならタメ口でいいよな?


それにしても、美姫は一体何をしようというのか。


指輪を付けた手を、道路に停まっている自動車に向けた瞬間。


ドンッという音と共にドアがへこみ、弾かれるように横転したのだ。


「う、うわっ!何ですか急に!!」


「ゼロ・クルセイダーズのトラップか!?」


先を歩く三人は驚いて、軽くパニック状態。


まさか……今のを美姫がやったって言うのか?


ただ手を向けただけで、車をひっくり返すなんて。


「約束だからね。誰にも言わないで」


美姫のこの力は、指輪を手に入れて得たのか、それとも指輪を得た事で、元々の力が増幅されたのかはわからない。


だけど、美姫にその力があったからこそ指輪を引き当てたんだと考えたら。


美姫はサイキッカーという事か。