東京ヴァルハラ異聞録

だけど、この指輪に関してはそんな感じではなさそうだし、戦えないという意味もわかる。


「逆によく今まで生きて来られましたね。大変だったでしょ」


「まあね。お腹が空いて、力が出なくてさ?そんなんじゃろくに戦えもしなかったから」


屈託のない笑顔を俺に向ける美姫。


戦えないって……指輪が武器なら戦いようがないだろ。


こんな華奢な身体で、格闘技をやってるとも思えないし、そんなものがこの街で通用するとも思えない。


「はは……早くソウルを集めて、新しい武器を手に入れないとですね。嫌かもしれないけど、この街で生きる為には人を殺さないといけないですから」


「もう慣れちゃったよ。手に入れた武器はこの指輪を強化するのに使っちゃったし。力を使うとさ、お腹が減っちゃうんだよ」


……なんだろう。


話が噛み合わないぞ?


千桜さんが言うには、指輪を引いて戦えないって言っていたのに、美姫は人を殺すのももう慣れたと言っている。


俺の理解力が足りないのか?


三人は話をしながら歩いているから、後ろを身もしないし。


「あのー……美姫?その指輪で人が殺せるんです?一応聞きたいんですけど」


「そんなわけないでしょ?どうやって指輪で人を殺すのよ」