東京ヴァルハラ異聞録

悟さんが尋ねると、千桜さんは辺りを見回して。


「外にいたら、またあいつらに見付かるかもしれません。どこか店に入りましょう」


そう言い、千桜さんは一緒にいる女の子をエスコートするように、近くのビルの地下に入った。


洋食レストランのような店。


そこでテーブルに着くと、食事を注文しながら話の続きを聞いた。


「まず、助けてくださりありがとうございます。この子は北浦美姫(キタウラ ミキ)。先日のAngel Tearsでこの街に来たんですが、やつらに襲われて仲間とはぐれてしまって」


「美姫です。危ないところを助けてくれてありがとうございます」


ペコリと頭を下げた美姫に、俺もつられて頭を下げた。


「つまり……この子はあれか?さっきのやつらが手に入れたいと思うような子なんだな?凄い武器を引いたとか」


「いえ、この子に戦う力はないと思いますね。引いた武器が、わけのわからない指輪だと聞きました」


悟さんに、首を傾げてそう答えた千桜さん。


指輪って……どうやって戦うんだ?


何か特別な力があるとか?


「じゃあなんで襲われたのさ。そもそもあいつら何者?全然知らないんだけど」