東京ヴァルハラ異聞録

「あなた達のおかげで、何とかこの子達が魂の結晶を手に入れる事が出来ました。ありがとうございます」


桜井が頭を下げ、俺達は少し困惑気味。


「俺達のおかげじゃない。東軍のあの二人……あいつらのおかげとしか言えないな」


南軍は東軍に面している。


つまり、総力戦が発生すれば、あの二人とも戦う可能性があるという事だ。


「そう……ですね。私ももっと強くならないとダメって事ですね。ナイトの一匹も倒せないようでは……情けない」


この中で唯一の星5レア。


だけど、あの二人と比べると桜井は弱い。


それは、本人が一番理解しているだろう。


「今回は共闘したけどさ、次会った時は敵同士って事で。私は容赦しないからね」


「望むところです。私達にも負けられない理由はありますから。何より……死にたくないですしね」


愛美の言葉に、桜井が笑ってそう答えた。


「昴、お前には絶対負けないからな。次こそ『光輝さん、負けました』って言わせてやる」


そんな事は死んでも言わないけど、こうやって敵同士でも話し合えるというのは良いな。


殺し合いは前提になるけど、憎しみじゃなく、力比べのような感覚で戦えるから。


「じゃあな。まーさん、昴、俺達は西軍に帰るぞ」


悟さんに促され、俺達は西軍へと戻った。


俺達がここにいた10日間で、西軍の内部で何が起こったかも知らずに。