東京ヴァルハラ異聞録

5秒が長い!


この攻撃をどう回避するか。


後方に逃げ続ければ、両国駅からは遠くなるけれど、俺がどんどん追い詰められる。


考える暇もない!


俺はナイトに向かって飛び上がり、槍を振る腕を蹴って頭部に迫る。


兜で頭部を守られて、刃は届かないだろうけど、日本刀を横に振って兜に当てた。


ゴンッという重い音が聞こえ、その反動でナイトの左側に移動する。


それほど強度はないのか、兜に斬撃の跡が付く。


が、それでも頭部を守るという目的は果たせているようで、ダメージがあるようには見えない。


「ますます……絶望的だな。皆はもう逃げたか!?」


チラリを両国駅の方を見ると、皆避難したようで、あとは俺が逃げれば良いだけ!


それならと、地面に着地した瞬間両国駅に向かって走り出した。


槍を振った反動で、ナイトは俺に背中を向けている。


なんとか……なるかもしれないと思った時だった。


「かはっ!?」


突然、右方向から身体を打ち付ける衝撃があった。


ナイトの後ろ足が……俺を蹴っていたのだ。


その凄まじい威力に吹っ飛ばされて。


東軍の光の壁近くまで飛ばされ、そこにある階段を上るように転がり、俺は動きを止めた。