東京ヴァルハラ異聞録

あれが俺に出来るのかどうかはわからない。


だけど、この状況ではやらなければ殺られるだけ。


「来いよ……殺してやる!!」


声と共に気合いを入れ、殺気を放つ。


秋本がやっていた、分身のような技。


篠田さんや久慈なんかも、やろうと思えば出来るはず。


その殺気に、ナイトが反応して槍を突き付ける。


これほどの敵が相手の場合、早めに動けばそれに合わせて攻撃を変化させられる。


ギリギリで回避しなければならないけど、それには危険が伴う。


だったら、早めに回避しても攻撃を変化させないようにするしかない!


ナイトの槍が迫る前に、殺気を消すと同時に横に回避する。


成功したかどうかはわからないけど、ナイトの攻撃に変化はない!


初めてやったけど、上手くいったのか!?


槍が、今まで俺がいた場所に突き付けられた。


だけど当然そこに俺はいない。


伸びた腕に飛び掛かり、日本刀を両手で持って勢いよく振り下ろした。


「これで……どうだっ!!」


腕に刃が触れる!


……だけど、その攻撃はナイトの腕の毛を切断しただけで、腕にダメージを与えるには至らなかったのだ。