東京ヴァルハラ異聞録

「ナイトの行動パターンから、後5分はここには来ないって割り出したんだけど……このナイトは空から振って来たように見えた。予想外だったわ」


桜井の言う通り、このナイトは空から振って来たように思えた。


それに……以前見たナイトよりも少し小さいような気もする。


つまり、新たな個体か。


「つまり、後5分すればもう一匹ここにやって来るっての?冗談きついよね」


悟さんの言う通り、そんな事になれば確実に殺されてしまう。


「だから一人……囮になってもらう。一人がナイトの攻撃を引き付けて、残りが隙を突いて攻撃を仕掛ける。もしも効果なしとなった時は、囮に引き付けてもらって逃げる……これしか手がないわね」


「どこからか正義のヒーローが現れて、助けてくれるって可能性はないのかね」


「ないわね。さて、誰が囮になるかだけど……」


悟さんと話す桜井が俺達を見る。


囮には確実に死の危険が付きまとう。


それを覚悟して、ナイトの攻撃を一手に引き付けなければならないし、最悪は皆が逃げるまで耐えなければならない。


だから……。


「俺がやりますよ、囮を」


迷う事なく、俺は日本刀を手に前に歩み出た。