東京ヴァルハラ異聞録

「も、森島さん!!今日も蟹座は最下位だったってのか……くそっ!」


前にも光輝が同じような事を言っていた気がする。


知らない男かと思ったら、森島だったか。


「さあ、どうする桜井!!戦えば死ぬ!だけど戦わなくても死ぬ!!」


悟さんがそう吠えると、桜井は覚悟を決めたかのように。


「だったら、戦って死ぬしか道はないでしょ!どうせ死ぬなら!」


「ははっ……冗談だろ。でもまあ、逃げられないならやるしかないよな!」


愛美も覚悟を決めたようだ。


「くそっ!早希、俺の後ろに隠れてろ!お前だけは……死んでも守ってやる!」


光輝が庇った女性……前に弱っちいやつって言っていた人なのかな。


大切な人が傍にいるって、羨ましい事だな。


ナイトが迫る。


そして、俺達を飛び越えて着地すると同時に、森島を貫いた槍を拾い、振り返って俺達の前に立ちはだかったのだ。


退くにも、俺達と両国駅の間にナイトがいる。


逃げるという手は完全に封じられたわけだ。


「……闇雲に攻めてもダメね。一人ずつ殺されて行くのが目に見えてる」


「だったらどうする?ナイトが来るのを想定していなかったわけじゃないだろ?」