東京ヴァルハラ異聞録

「昴!愛美の方に回れ!俺はこっちをやる!!お前ら、ボサッとしてないで攻撃を合わせろ!」


悟さんの言葉に頷き、地面を蹴り左のポーンに斬り掛かる。


手応えはあるが、通常攻撃では骨を断つところまではいかない。


「グルルルルル!グァウッ!!」


胸を斬られたのに腹を立てたのか、ポーンが拳を振るい、俺を殴りつけようとする。


「当たってたまるかよ!」


身体を回転させ、拳に日本刀を合わせて迎え撃つ。


ポーンのパンチの威力と相まって、巨大な拳に刃が食い込んだ。


派手に血が飛び散り、指が四本切断され、ポーンが悲鳴を上げて天を仰ぐ。


その瞬間。


「昴!俺がやる!!こっちを頼む!!」


さらに悟さんの声に頷き、今度は右のポーンへと飛んだ。


「何……この人達。連携に迷いがない!」


桜井が驚いたような声を上げるが、そんなに凄い事とは思わない。


10日もひたすらはぐれ狩りを続けていれば、悟さんや愛美の考えなんてわかるし、行動に合わせる事なんてそんなに難しくないから。


「くそっ!お前らだけにいい格好させるかよ!」


素早く俺の横に移動した光輝が、俺と同じタイミングでポーンに武器を突き付けた。