東京ヴァルハラ異聞録

「好きにしなさい!ところで、俺達って言ったわね?他にもいるの?」


状況の判断が早いな。


さすがは桜井侑樹と言ったところか。


「ええ、黒部悟と、三田愛美もいますけど、問題ないですよね?」


光輝と背中を合わせて、迫るポーンに斬り掛かる。


「問題は……大ありだけど、今はそんな事は言ってられないから!うちの子達、どうしてこんなに戦い方が下手なの!?弱い者いじめばかりしてたのかしらね!本当、予想外だったわ!」


自分の軍の人間に、散々な物言いだな。


まあ、こんなに死なれてちゃ、言いたくなるのも無理はないけど。


ポーンに斬撃を浴びせるが、どれも致命傷とは言い難い。


鼻先を斬ったポーンが仰け反り、天を仰いだ時だった。


「さっさと一人で行くんじゃないよ!!」


空から、槍を構えた悟さんが降ってきて、ポーンの口を貫いたのだ。


「俺の名は黒部悟」


「知ってるっての!!かっこつけてないで早く戦えよ!!」


ポーンの上で、親指をグッと立てている悟さんに、光輝が怒鳴りつける。


そんな悟さんに、左右からポーンが迫った。


「おっと、一匹は任せなよ」


愛美の鞭が、ポーンの腕に巻き付いて動きを止めた。