東京ヴァルハラ異聞録

さすがに桜井は強い。


偃月刀を操り、ポーン相手に危なげのない戦いを繰り広げるが……いかんせん、連れているやつらが弱い。


「こんな事なら、伊良さんにも手伝ってもらえば良かった!なんでこんな地獄を味わわなきゃ……ああっ!!澤部さん!」


光輝が愚痴を言っている間にも、また一人食われて光の粒へと変わった。


これで残りは4人。


さすがに、桜井がいるとはいえ厳しいんじゃないか?


「私が残っても仕方ないのよ!?何としてでも生き残りなさいよ!」


桜井がそう叫ぶが、光輝でさえポーンにやられてしまいそうだ。


「くっ!このっ!」


目の前のポーンの攻撃を何とか防ぐ光輝。


だが、すぐさま別のポーンが光輝に手を伸ばした。


間に合えと、飛び上がって日本刀を振り下ろす。


綺麗に縦に入った斬撃は、ポーンの腕を斬り落としたのだ。


勢いを付けた斬撃が、ポーンの強度をギリギリ上回った……って所か。


「お、お前は……昴!?」


「ちょっと俺達も魂の結晶を取るのに参加させてくれないかな。足手まといにはならないと思うけど」


一瞬、西軍である俺を見て、4人は身構えたけれど、そんな場合ではないと判断したのか、すぐにポーンに意識を戻した。