東京ヴァルハラ異聞録

……あれから10日。


はぐれを狩った数、15匹。


魂の結晶は未だ手に入らず。


「悟ぅぅ、どれだけやれば落ちるのさ、魂の結晶は」


「そんなの俺に聞くなよ……俺だって知りたいよ、全く」


総力戦にすら参加せず、俺達はホテルの上でひたすらはぐれが出るのを待ち続けていた。


「あー。もう、なんか一生出ない気がしてきた。このままここで年取ってさ、おばあちゃんになるんだろうなーって思えて来たよ」


「そんな大袈裟な……とは言え、無心になるくらいには時間が経ちましたね」


見張りをする悟さんの隣で、俺と愛美はぼんやりと空を見上げている。


あまりに退屈すぎて、しりとりを無駄に続けるくらいだ。


「こうなったら、一か八かポーンの群れに突っ込んでみるか……」


極限状態が続くと、誰しもこんなやけくそみたいな行動を取ってみたがるよな。


でも、大体はそれで失敗するんだよ。


「運がねぇよな、私達さ。そりゃあ魂の鎖に繋がれたやつ、新人と決闘して負けたやつがいるんだから、運なんてあるはずないか」


自虐的な冗談で、ははっと笑って見せるけど、全然笑えないよ。


それほどにまで、魂の結晶は出なかった。


星5レアの人達も同じような苦しみを味わったのかと思うと、強くなるにも努力が必要なんだなと感じた。