東京ヴァルハラ異聞録

「……な、何だったんだよ。北条恵梨香っつったら、賞金ランキング上位のやつだぞ?」


「そんなやつが、結城に興味を持ったってのか?一体何がどうなってるんだよ。全然わかんねえ」


北条恵梨香……か。


名前を言われた時、不思議と心がざわついた。


この気持ちが何なのかはわからないけど、死神と呼ばれるほど悪い人じゃない気がする。


まあ、沙羅もそうなんだけどさ。


「俺と言うより、この日本刀に興味があったって感じですけどね。さあ、はぐれ狩りに戻りましょうか」


「あ、ああ……何だか釈然としないけど、誰も殺されてないなら俺は良いんだ」


そうさ、今よりももっと強くなって、沙羅と一緒にバベルの塔に向かうんだ。


色々とやらなきゃならない事もあるけど、まずは武器を進化させる。


そこからだ。


「だけどさ、さっきの戦い……悟は見えたか?あれは……本当に星4レアの動きじゃないよ」


「そう……だな。知らない間にとんでもなく強くなりやがって。だけど、俺も負けないぞ?後輩に抜かれたくないからな」


突如現れた恵梨香さんに驚いたけど、出会えて良かったと思えた。


篠田さんが死んで、西軍は荒れる……愛美はそう言ったけど、何をするにしても俺達はもっと強くなるしかないのだ。


「お、見ろよ。Angel Tearsだ。また、この街に誰かがやって来たな」


悟さんが空を指さした先に、空から舞い降りるキラキラとした光が見えた。


「ようこそ、死の街へ……ってか?Angel Tearsなんて名前、よく付けたもんだよ、全く」


新しい人が、この街に舞い降りた。


それは、新たな戦いの予兆だったけれど、この時の俺達はそれに気付いていなかった。