東京ヴァルハラ異聞録

「ふむ、単独でポーンの群れに突っ込む愚か者が見えたものでな。少し興味が湧いたのだが……ほう、その武器は……」


フルフェイスだから、その表情が良くわからない。


笑っているようにも感じるし、そうではないような気もする。


女性はそこから飛び降り、俺達の方に歩いて来る。


影は……黄色。


という事は、東軍か!?


「待て待て……ライダースーツにドクロのフルフェイスって。東軍に、とんでもなく強いやつがいると聞いた事がある。東軍の死神か!?」


……沙羅と言い、この人と言い、死神が何人いるんだよ。


なんて、心の中で突っ込んでる場合じゃない。


「その死神が……こんな星4レアの集団に何の用なのさ。総力戦でもない、ただはぐれを狩ってるだけの私らにさ」


気付けば二人も武器を構えて、女の行動に注意を向けている。


「言っただろう?その少年に興味が湧いただけだ。大和守安定……少年は、この少年を選んだのか」


女性の声に、日本刀がさらに震える。


怯えているとか、怒っているという物じゃない。


何か……とても喜んでいるような、懐かしんでいるような不思議な感じがする。


敵が前にいるというのに、なぜか俺も落ち着いていられた。