東京ヴァルハラ異聞録

そんなに大袈裟に騒がれるような事なのかな。


意識の中で出会った人に、力の一部を分け与えて貰ったというのは大きい。


でもそれだけじゃない。


強い人達と戦った事が、今の俺の中に生きているというか。


吸収して強くなっているような感覚がある。


「でもまあ、こいつの力もわかったし、これなら何とかなりそうだな。のんびりはぐれが現れるのを待つか」


愛美がホテルの下を覗き込んでいる隣に移動し、俺も眼下を見ると、さすがに追うのを諦めたようで、バベルの塔へとポーン達が戻っているのが見えた。


「そうだね。強くなる為に死んだら意味がない。確実にはぐれを倒して……」


と、悟さんがそこまで言った時だった。


右手の日本刀が、俺の意思とは無関係に反応し、背後を指した。


「な、なに……」


その刃の先……俺達より高い場所に、ライダースーツにドクロのフルフェイスを被った女性らしき人物が立っていたのだ。


この位置からでは、影の色はわからない。


だけど、この日本刀の震えは何なんだ!?


「お前、何して……って、あんた誰だよ。見た事ないやつだな」


俺の異変に気付き、愛美と悟さんが振り返って女性を見た。