東京ヴァルハラ異聞録

そう判断し、日本刀を引いて再度ポーンの腕に振り下ろそうとしたけれど。


「グルルルァァァッ!!」


「お、おわっ!?」


二匹目、三匹目のポーンが迫り、俺を掴もうと手を伸ばしていたのだ。


慌てて後方に飛び、日本刀を構えるが……ポーン達はお構いなしに駆け寄ってくる。


それも、10匹まとめて。


「さ、さすがにこれは……まずいよな!!」


群れに飛び込まずに、はぐれを倒すという意味が良くわかった!


こんな数を相手に戦っても無駄に殺されてしまうだけだ!


左手に鞘を持ち、悟さんと愛美が待つホテルへと走る。


壁に向かって飛び上がり、日本刀を刺してその上に乗り、飛び上がってさらに日本刀を壁に刺す。


これを繰り返し、短時間でホテルの屋上に戻る事が出来た。


「は、はは……ダ、ダメでした。あんな群れを相手に戦ったら、命がいくらあっても足りませんよ!」


苦笑いを浮かべてそう言ったけれど、二人もまた苦笑いを浮かべていて。


「い、いや……お前、本当に星4レアなのかよ。この高さから飛び降りて、着地が乱れないどころかすぐに走り出して……」


「それに、完全にポーンに掴まれるタイミングで避けて見せた。こりゃあ……俺達もうかうかしてられないな」