東京ヴァルハラ異聞録

砕け散った衝撃で、梨奈さんが驚いたように目を開けた。


今のは……まさか。


その武器が投げられた方を見ると、そこにはハルベルトを持っている血塗れの秋本の姿が。


「はぁ……はぁ……お前らに希望なんてありはしないんだよ!!絶望に打ちひしがれて死ね!!」


決闘が終わった?


秋本の武器が梨奈さんのPBTを砕いたと言うことは……篠田さんが秋本に負けたのか!?


「殺れ!拓真!!」


一瞬の心の隙を突かれた。


秋本の声に、拓真は逆らえずに。


手にした短剣を、梨奈さんの胸に深々と突き立てたのだ。


「あ……す、昴くん……ごめんね……」


何に対して謝ったのか。


俺がもっともっと強ければ、梨奈さんは捕まる事がなかっただろうに。


北軍の人間を信じなければ、俺が梨奈さんを助けるつもりで動いただろうに。


ぐったりと首を垂れ、何も言わなくなった梨奈さん。


「こ、これで俺は……大丈夫なんだよな」


短剣を抜き、怯えたような表情の拓真。


俺は……感情を抑える事が出来なかった。


「拓真ぁぁぁぁぁっ!!お前は……お前は!!一体何をしたかわかっているのかよ!!」