東京ヴァルハラ異聞録

「そんな事させるかよ!!」


もう、頼れる人が誰もいない。


助けてくれると信じていたのに……北軍の人間を信用したのが間違いだったのか。


クラスメイトで、仲の良い友達。


そんな麻衣でさえも信じてはいけなかったのかよ!!


日本刀を構え、吉良を避けて梨奈さんの元に向かう。


だが、振り返ると同時に投げた鎖分銅が俺の足に巻き付き、俺は地面に倒れ込んでしまった。


「時間だ!!殺れっ!!」


吉良が叫ぶが、拓真はどうすれば良いかわからない様子で。


短剣を持つ手が震えている。


PBTを破壊すれば、もう復活出来ない。


その後の死は、魂の死だと理解しているから、戸惑っているのだろう。


「拓真ぁぁぁっ!!ビビってんじゃないぞ!わかってるのか!?俺達が殺されるか、そいつを殺すかの二択しかないんだよ!!」


グッと鎖を引き、俺の足止めをする吉良。


梨奈さんを失ってたまるかという思いで、足に巻き付いた鎖を解き、立ち上がろうとした瞬間。


屈んでいる俺の頭上を、何かが通り過ぎて。


梨奈さんのPBTにその尖端が直撃し……それが消えると同時に、PBTが砕け散ったのだ。