東京ヴァルハラ異聞録

PBTを回収し、ぐったりとしている沙羅を、龍拳が肩に担いで。


眠らされているのか、気絶しているのかはわからないけど、とにかく沙羅は奪還出来た!


あとは梨奈さんだけ!


「あ、あいつら!!神凪のやつら!拓真止めろ!!絶対に逃がすなよ!」


吉良がそう叫んだが、龍拳は舌をペロッと出して。


「残念でした。沙羅は返してもらうよん」


それだけ言って、麻衣が拓真にイージス盾を押し付けて弾き、屋根から落とすと三人は走り出したのだ。






お、おい……。


沙羅と梨奈さんを助けてくれるはずだろ?


まだ梨奈さんが残ってるだろ!!


「将太!!麻衣!!龍拳!!話が違うだろ!!」


そう叫んでも、梨奈さんを助けてくれる様子はなくて。


麻衣は俺と目を合わせないように俯き、将太もこちらを見ない。


「悪いな!後は好きにやってくれよ!じゃあな!」


龍拳にそう言われ、俺はこの時点で、神凪一派が梨奈さんを助けるつもりはなかったのだと気付いた。


「くそっ!逃げられたってのか!拓真!せめてもう一人だけでも殺れ!!二人とも逃げられちゃあ、俺達が秋本さんに殺される!!」


吉良の言葉に、拓真が頷いて屋根に飛び上がり、梨奈さんに迫った。