東京ヴァルハラ異聞録

グッと力を込め、拳を弾いた俺は距離を取り、周囲を確認した。


宝蔵門の左側……五重塔の二階の屋根に、将太達がいる。


このまま引き付けていれば、彼らが助けてくれる。


だから俺は、戦い続けるだけ!


「うおおおおおっ!」


今度はこちらから攻撃する番だ!


一歩踏み込み、吉良に向かって日本刀を振り下ろした。


日本刀の間合いの外。


吉良は呆れたような表情で。


「それじゃあ届かないよね。何やって……!?」


何か違和感に気付いたのだろう。


日本刀の延長線上に、鎖を巻き付けた拳を振り上げ、見えない斬撃を受け止めたのだ。


「ひゅうっ。なんて攻撃をしやがるんだよ。だけど、一撃で決めるべきだったよなぁ。その攻撃はもう、俺には通じないぜ?」


「別に構わないさ!俺の攻撃で倒せなくたって、目的は達成出来る!!」


余裕を見せる吉良に、俺がそう叫んだと同時に、潜んでいた将太と麻衣、龍拳が宝蔵門に向かって飛んだ。


それに気付いたのは拓真。


だけど、麻衣が先頭でイージスの盾を構えていて、手が出せない様子で後退る。


「良くやってくれた!!恩に着るぞ、昴!!」


将太が、デュランダルで沙羅を巻いていた有刺鉄線を切断した。