東京ヴァルハラ異聞録

「麻衣の事は関係ないだろ。それに、お前を殺す事にも抵抗はないからな。皆、俺の邪魔をしやがって」


形状の違う短剣を二本取り出した拓真は、俺に向かってそれを向けた。


だけど、それを制するように隣に立つ男が俺と拓真の間に割って入る。


「何こいつ、知り合い?だったら、余計に与えられた任務を優先させないといけないっしょ。お前に与えられた任務は、時間になったらこの二人を殺す事だろ?PBTを破壊する、そして殺す。わかってるよな?」


金髪の、前髪がアシンメトリーになっている男が、手に巻き付けた鎖を垂らし、拓真にそう告げた。


「二人を殺させやしない!助ける為にここまで来たんだ!」


日本刀を両手に持ち、男の攻撃に備える。


「わ、わかりました吉良さん。そうですよね……俺の任務は、3分後に二人を殺す事ですよね」


沙羅と梨奈さんの胸に、PBTが有刺鉄線で一緒に巻かれていて、そこを一突きにすればPBT破壊と命を奪う事が同時に出来ると言うことか。


「そんなわけで、こいつの邪魔をさせるわけにはいかないんだよね。拓真の知り合いなら、俺の名前を覚えておくと良いぜ?俺は吉良隆志(キラ タカシ)。お前を殺す男だからよ」


「そうは……させない」