東京ヴァルハラ異聞録

決闘になれば、俺はどうする事も出来ない。


篠田さんが作ってくれたこの最高の形を活かすしか、他に手段はないのだ。


「ボウズ!ワシが飛ばしてやる!宝蔵門に向かえ!」


御田さんが、斧の向きを変えてバックスイングをする。


飛ばしてやる……という事は、俺はその斧に乗れば良いのか!?


北軍の人達を斬り倒しながら御田さんに駆け寄り、目の前でジャンプ。


「うおおおおおっ!!行けっ!ボウズ!!」


そう叫びながら、斧をフルスイング。


タイミングはバッチリ。


斧の腹に足を付け、その衝撃を逃がすように膝を曲げる。


凄まじいGが、身体を押し潰してしまいそうだ。


そして、御田さんのスイングに合わせて斧を蹴った俺は、北軍の人達の頭上を超えて宝蔵門付近まで、約150mの距離を一瞬で移動する事が出来たのだ。


空中で体勢を整え、眼下にいる北軍目掛けて日本刀を振るう。


見えない斬撃が俺の着地点を作り、そこに着地をした。


見上げると、屋根の上には、有刺鉄線で巻き付けられ吊るされている沙羅と梨奈さん。


そして……。


「お前は……秋本派だったのか。麻衣と敵対していたから、あんな事を言ったんだな。そうだろ?拓真!!」


二人の前に立つ、拓真ともう一人の男の姿があった。