東京ヴァルハラ異聞録

矢が降ってこない上方から、北軍の人達を飛び越えるような大ジャンプを見せて、一人の男が俺に迫ったのだ。


手には槍のような武器。


そして、メガネをかけた忘れもしないその顔は!


「秋本っ!!」


最前にいた北軍の人の頭部を貫き、血と脳漿が飛び散った中からハルベルトの尖端が俺に迫った。


後方に移動しながら、日本刀をハルベルトに当て、地面に叩きつけるように振り下ろした。


ハルベルトがグッと下がるが、秋本は素早く身体を移動させ、俺に蹴りを放って地面に着地したのだ。


秋本の蹴りで後方に飛ばされ、地面を転がるが、すぐに起き上がり日本刀を構える。


「やっぱり来たなぁ。それに……まさか篠田まで来てくれるとは思わなかった!!」


横で戦う篠田さんを見て、秋本が嬉しそうに笑みを浮かべた。


沙羅と梨奈さんを処刑するのが秋本だと思っていただけに、ここにやって来るなんて思いも寄らなかった。


でも、これなら神凪一派が動きやすくなるはずだ。


もう、秋本の目には俺は映っていない。


新しい玩具を目にした子供のように目を輝かせて、篠田さんにハルベルトを構える。

篠田さんも、そんな秋本に気付いたようで、すぐさま向きを変えて拳を構えた。