東京ヴァルハラ異聞録

そして、時間が流れて11時45分。


浅草寺の様子を見に行っていた龍拳から、沙羅と梨奈さんが連れて来られたと言われて、俺達は雷門に向かった。


「こっちの世界でもなかなか盛況じゃな!もっとも、観光客ではなくワシらの敵じゃがな」


「英太さん、笑えない冗談はやめてくださいよ。遊びに来てるわけじゃないんすから」


浅草の雷門。


そこを通ると仲見世商店街があり、何度か俺も来た事がある場所。


「どうやら本堂ではなく、宝蔵門にいるようじゃの。ここからでも二人が吊るされているのがわかるわい。どうじゃい、15分で突破出来るか?」


「誰に言ってんすか。おい、昴。弱いなりにもNWなんだ。力を見せてみろよ。相手は北軍最強の男だ」


「は、はい!」


秋本とは過去二回戦っている。


最初は手も足も出なくて、久慈さんに助けられたから逃げる事が出来た。


二度目は、目の前で沙羅と梨奈さんを奪われ、完膚なきまでに叩きのめされた。


とても「勝てる」なんて言えないけど、やらなけらばならない事はわかっているつもりだ。


「じゃあ、時間もねぇ事だし……行くぞオラァァァッ!」


そう叫んで走り出した篠田さんに続き、俺と御田さんも走り出す。


沙羅と梨奈さんの奪還作戦が始まった。