東京ヴァルハラ異聞録

「俺達は正面突破しかねえんだろ?お前達はどうするかを聞いてんだよ」


「あだっ!」


バシッと龍拳の頭を叩き、将太を睨む篠田さん。


隣に座ったばかりに、とばっちりを食らってるな。


「篠田さん達がいい所まで来たら、仲間達と共に沙羅ともう一人を奪還します。出来るだけ派手に暴れて、秋本さん達の目を引いてください」


「ワシらは囮というわけか。それは構わんが、奪還した後はどこで落ち合う?追っ手を巻くのは骨が折れるぞ?」


「それについては考えがあります。合図をするので吾妻橋まで退いてください」


会ったばかりで、お互いを完全に信用出来ていない段階での、お互いを信じなければならない作戦。


まあ、この街での出会いなんて全てがそんな感じで、篠田さんや御田さんなんかは慣れているのだろうけど。


「隅田川か……なるほどな。大体言いたい事はわかったぜ。だけどよ、お前らで秋本を止められるのか?イージスの盾があれば、お前らは死なねぇとは思うが」


「止められるかどうかはわかりません。武器の相性もありますし。でも、奪還が目的ですから、命に変えても助けてみせますよ。黒崎は……俺達にはなくてはならない存在ですから」


「だったら何も言わねえ。まあ、秋本の事だ。俺を見てどんな反応をするかは想像がつくけどな」