東京ヴァルハラ異聞録

「そりゃあ仕方ないでしょうが。いくら俺達が強くても、数で負けてるんだから。黒崎を助けてもね、すぐに取り戻されるし殺される。だったらいっそ、西軍の連中に助けてもらって一緒に奪還しようってね」


龍拳が、将太が言いにくそうにしている事を遠慮なく話す。


「ふははははっ!!正直じゃのう、小僧。そこまで正直に言われると気持ちいいわい。気に入ったぞ」


「あざーす!」


笑う英太さんに、また舌を出してピースサイン。


大事にならずに済んでホッとしたのか、将太が吐息を漏らした。


「……だけどよ、俺達には誰が秋本一派で、誰が神凪一派かなんて判断がつかねえ。お前らはどうにでもなるとして、他のやつらは知らずにぶっ殺すかもしれねえぞ?」


「そうですね。既に何千人と殺されていますし、その事については仕方ないと考えてます。グループに通話しても、隣で誰が聞いているかもわからないですし、通達のしようがないですから」


西軍も色々あったけど、北軍は北軍でゴタゴタしているんだな。


まあ、知らない人達が集まっているんだ、問題が発生して当然なんだろうけど。


「悲しいもんじゃのう。殺し合う必要もない人達が、東西南北に分けられているのに、さらにその中でも争いが起きるとは。一時的とはいえ、こうして手を取り合える人達もいると言うのに」