東京ヴァルハラ異聞録

しんみりとした雰囲気の中、突然部屋のドアが開いて、金髪の男が入って来た。


「おいっすー!なになに、皆してそんな暗い顔して!楽しくやろうよ、せっかくだしさ!」


この男は……俺と昭和通りで戦った、龍とかいうやつ?


あの時に麻衣と将太と一緒にいたから、仲間なのだろうとは思ったけど。


「……うるせえな龍拳、殺すぞ」


調子に乗って騒いだのが気に食わなかったのか、篠田さんがひと睨みすると、龍は高速で正座して頭を下げた。


「えっと、こいつは横手龍拳(ヨコテ リュウケン)。俺達の仲間です」


「気軽に龍とでも呼んでくださいね!」


ペロリと舌を出してピースサインをしてみせた龍に、篠田さんもどんな表情をすれば良いかわからないようで。


「……話を戻そうか。黒崎沙羅を助けるのは、ボウズの望みでもあり、神凪一派の望みでもある……ここまでは良いな?」


「はい。黒崎は我々に必要な人ですから」


「だったら、なぜ自分達だけでやろうとせん?お前さん達の戦力は大したもんじゃ。足止めと銘打ってボウズの力を見ようとした事はわかったが、内紛にワシらを巻き込むつもりだったか?」


御田さんがそう言うと、将太は眉間にシワを寄せて俯いた。