東京ヴァルハラ異聞録

それに頷いた御田さんは、俺の背中をバンッと叩いて。


「ほれ、走れ!ボウズ!」


そう言うと、御田さんは将太と麻衣の横を通り過ぎて走り出したのだ。


篠田さんも二人を無視するように走り出す。


「はははっ!馬鹿野郎が!まともに戦う必要なんてねぇんだよ!!沙羅と梨奈を助けさえすれば俺達の目的は達成だ!あばよ!!」


「えっ!?ちょ、ちょっと!!」


それを見て、俺も置いていかれないように走った。


二人は唖然として、俺達を見ていたけど、麻衣と戦わなくて済んだという思いがあったから助かった。


「いやあ、参った参った!まさかあんなお嬢ちゃんがイージスの盾を持ってるとはな!ボウズ、知り合いみたいじゃが」


走りながら、御田さんが尋ねる。


「え、ええ……同じ高校のクラスメイトです。いつも一緒にいた友達の一人なんですけど」


「……因果なもんじゃの。好きな人を助ける為に、友人と戦う事になるのか」


考えたら頭が痛くなる。


沙羅も梨奈さんも、この街で知り合った大切な仲間だ。


だけど、麻衣も拓真も大切な友達で……二人と戦わなければならない可能性だってある。


敵だから……その理由が通るなら、沙羅だって敵なんだよ。


でも、俺達は分かり合えたんだ。