東京ヴァルハラ異聞録

血がボタボタと流れ落ちる腕を見て、距離を取る篠田さん。


「ほう……こりゃあ厄介だな。NW『デュランダル』の永禮将太と、『シールド・オブ・イージス』の池田麻衣か。二人で足止めというのも、ハッタリじゃないかもしれん」


PBTを操作し、相手の情報を見て、御田さんが唸った。


「麻衣!なんで……」


俺は何を言おうとしたんだろう。


「なんで俺の敵に」「なんでこんな所に」。


それは麻衣からしても同じ事で、俺が北軍に侵攻しているという事実が、そこから先の言葉を言うのを止めさせた。


「私達は敵同士みたいだから、それ以上の理由は必要ないよね。それくらい……わかるでしょ!」


「敵同士でも、俺と沙羅みたいに一緒の目的を持つ事だって出来るだろうに!!」


「一緒の目的って何よ!!私は元の世界に戻りたいの!!キングを破壊する為に強くなるしかないの!」


きっと、皆同じ気持ちなんだろう。


元の世界に戻りたいのは麻衣だけじゃないから。


「厄介な盾だなおい。俺の攻撃をそのまま跳ね返しやがるのかよ」


PBTで瞬間回復をして、右腕を治した篠田さん。


ズボンの左のポケットにPBTを入れ、再び拳を構えた。