東京ヴァルハラ異聞録

浅草通りを歩いて、しばらくすると目の前に二人の人物。


あれは……さっき、首都高にいた男?


その後ろに隠れるようにして女がいるが、顔がわからない。


「なんだお前らは。俺が篠田武久だと知ってそこにいるのか?おお?」


「ええ、わかっていますよ。だから俺達で止めに来たんです」


「たった二人で俺を止められると思ってるなら大した度胸だな」


言うより早く、拳を握って構える篠田さん。


それを見て、男の背後にいた女が姿を見せる。


その姿に……俺の心がざわついた。


「そ、そんな……なんでお前が……麻衣!!」


そこにいたのは……俺の友達の麻衣。


拓真と三人でいつも一緒にいた、池田麻衣の姿だった。


「……久しぶりだね、昴」


小さくそう言ったのを何とか聞き取れた。


「なんだよ、知り合いかよ。でも手を抜くなよ!今は敵だ!」


そう言い、篠田さんが麻衣に飛び掛かった。


高速の拳が麻衣に襲い掛かる!


「!!」


だけど、麻衣が取り出した奇妙な形の盾に防がれ、篠田さんの腕が吹き飛んだのだ。


当然、麻衣にも衝撃はあったようだけど、30cmほど後退しただけで無傷だった。